皆様こんにちは。大学の仕事が忙しく、あまりブログ更新ができませんでしたが、先日有名な医学雑誌に「日本人の高齢者における糖尿病と海馬の委縮の関連」について検討した研究報告が掲載されましたので、今回はこの論文のご紹介を少ししたいと思います(Hirabayashi N,et al.Diabetes Care 2016;39:1543-1549)。
九州大学では以前から福岡県久山町で一般住民を対象とした研究(久山町研究)を行っており、これまでにも数々の実地臨床で役に立つ研究報告を出されていますが、今回の報告はその久山町研究の報告になります。
久山町研究の研究グループでは、65歳以上でかつ頭部MRI検査を実施した1238名の一般住民を対象として、糖尿病の有無と頭部MRIにおける海馬の委縮の程度が関連するかについて断面的な調査を行いました。
その結果、糖尿病を有する人は全く糖尿病でない人と比較し、海馬の委縮の程度が明らかに強いことが分かりました。また、糖尿病の罹病域間(糖尿病と診断されてからの期間)が長くなるほど、海馬の委縮の程度が強くなることが分かりました。海馬は脳の中で主に「記憶」に関係すると言われており、アルツハイマー型認知症の発症に先駆けて委縮が起こるとされています。つまり、今回の報告からは、長く糖尿病にかかっている高齢者の方では、アルツハイマー型認知症になる可能性が高いと考えられます。
こしだ内科クリニックは千歳船橋駅から近く(徒歩1分)にございます(世田谷区桜丘)。
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