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ピオグリタゾン塩酸含有製剤:使用上の注意が改訂されました。

皆様こんにちは。この数週間で寒くなってまいりましたが、いかがお過ごしですか?

先月、厚生労働省からピオグリタゾン含有製剤の添付文書における「使用上の注意」の改訂に関する事務連絡が発出され、それに伴いピオグリタゾン含有製剤の添付文書において「使用上の注意」が改訂されました。
ピオグリタゾン含有製剤はインスリン抵抗性(インスリンの効きやすさ)を改善させる作用を持った経口血糖降下剤で、薬剤名で「アクトス」、「メタクト」、「ソニアス」、「リオベル」といった薬剤が該当します。改訂された内容は以下の通りです。

〈以下、添付文書より引用〉
本剤を投与された患者で膀胱癌の発生リスクが増加する可能性が完全には否定できないので、以下の点に注意すること。
1)膀胱癌治療注の患者には投与を避けること。また、特に、膀胱癌の既往を有する患者には本剤の有効性及び危険性を十分に勘案した上で、投与の可否を慎重に判断すること。
2)投与開始に先立ち、患者又は家族に膀胱癌発症リスクを十分に説明してから投与すること。また、投与中に血尿、頻尿、排尿時痛等の症状が認められた場合には、直ちに受診するように患者に指導すること。
3)投与中は、定期的に尿検査を実施し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。また、投与終了後も継続して、十分な観察を行うこと。
〈引用終わり〉

今回の添付文書改訂は、海外で行われた糖尿病患者を対象とした疫学研究において、膀胱癌の発生リスクが増加する可能性を示唆する報告が出たことに伴うものになります。ただし、今回の改定は「日本人でピオグリタゾン含有製剤を使用すると膀胱癌に必ずなる」ことを意味しているわけではないことに注意していただく必要があります。ピオグリタゾン含有製剤をお使いの患者さんはご心配になるかもしれませんが、自己判断で薬を中止することはせず、かかりつけの医師までご相談いただければと思います。(ちなみに、もし確実に膀胱癌を引き起こすことが判明した場合は、このような形の添付文書の改訂ではなく、「禁忌」(投与してはならない場合)として記載されることになると思います。)

こしだ内科クリニックは千歳船橋駅近く(徒歩1分)にございます。
当院では毎週水曜日と隔週木曜日に糖尿病専門医が専門外来を行っております。
糖尿病について分からないことがございましたらお気軽にご相談ください。

次回の糖尿病教室は12月に開催いたします(12月7日13時30分~)。ご興味のある方は奮ってご参加ください。

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