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乳がんの治療;その⑥“分子標的薬について”

残暑お見舞い申し上げます。
オリンピックに熱中している間に、いつの間にか前回のブログ更新から時間が経ってしまいました。

今回は“分子標的薬”について。
“分子標的薬”は“抗がん剤”と違い、主に乳がん細胞そのものを標的にして治療を進めるお薬です。
“抗がん剤”はがん細胞に効果を発揮する一方で、自分の細胞に対しても一部影響があり、副症状(髪の毛が抜けたり、吐き気や倦怠感、手足のしびれなど)が出ることがあります。

それに対し、“分子標的薬”は副症状が少ないのが一般的です。がん細胞=腫瘍細胞の標的分子に対して特異的な作用を発揮することにより、がん細胞の増殖・分化・転移などの機序を障害し、治療効果を示します。
乳がんで用いる代表的な“分子標的薬”は「ハーセプチン®(トラスツズマブ)」です。
実際は、術前の針生検によってHer2遺伝子の発現が、がん細胞に認められた(乳がん細胞の1/3に発現がある)場合に、手術の前あるいは術後に、約1年間にわたり適応に応じて使用します。手術前後のいつの時期に治療に用いるかは、その方の状況によって変わります。

乳がんの治療には様々な選択肢=武器があります。
どのような治療を選択するかにあたっては、適切な診断がとても大切です。診断から手術・術前後の治療について、主治医とよく相談して進め、分からないことや不安なことは適時確認してください。

当院乳腺外来でも、ご不明な点はご相談に乗ります。お気軽にお問い合わせ下さい。

↓↓夏休みを頂きました☀

ヤシの木

 

 

 

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