特殊外来
特殊外来

当院では漢方薬による治療にも力を入れています。実際、食欲低下などの胃腸の不良、長引く咳や喘息症状、手術後や過労など体力低下に伴う不調、アレルギー症状などは、西洋薬による治療だけでなく漢方薬の治療もあわせて行うことで、気になる症状が改善することがあります。東洋医学では、採血や検査結果に異常が出なくても、体調全体としてすぐれない時、辛い時は治療が必要と判断されます。 女性の更年期症状に対する漢方薬の効果は有名ですが、朝起きられないなどの学生さんの不登校、夏バテや冬場の冷え、不眠、片頭痛などにも漢方薬が処方され効果が得られることがあります。漢方薬にはたくさんの種類がありますが、保険診療の範囲で薬局から漢方製剤が処方されることが一般的です。自然の植物由来とはいえ、体質に合わないことや内服によって採血結果に異常が出ることもあります。漢方治療を受けられる場合でも、西洋薬による治療と同様に内服後の体調を確認し、合わない場合はすぐに変更いたします。漢方薬治療でも効果や副症状の確認のために、初めてのお薬の場合は2週間後を目安に再診して頂くようお勧めしています。どんな薬剤でも肝機能障害や副症状が発生する場合がありますが、漢方薬でも例外ではありません。内服後は、採血による肝機能検査や血清K値の測定が時々必要になります。
頭痛(片頭痛など)・リウマチによる痛み・腰痛・関節症・線維筋痛症・腹痛症など
慢性の下痢・便秘・腹痛症・腹部膨満・過敏性腸症候群・機能性ディスペプシア・食欲低下、全身倦怠感・胸のつかえ・動悸・のどの違和感、喘息、花粉症・慢性鼻炎・めまい・耳鳴り・浮腫・しびれ・不眠症・うつ、頻尿・残尿感、皮膚の掻痒感・皮膚の乾燥・アトピー性皮膚炎など。
月経前症候群・月経困難症・月経不順・更年期障害・冷え性・神経症・不妊症・反復性の膀胱炎、など。
食欲がない・すぐ疲れる・風邪を引きやすい・肩こりがひどい・体が重い、など。
がんに対する補助療法、熱中症、集中力低下など
なお、急に起こる胸痛(狭心症・心筋梗塞など)、麻痺(脳梗塞・脳出血など)、腹痛・下痢(細菌感染による食中毒など)は緊急性がある場合もあり、西洋医学的な検査や治療が必須で、漢方治療が第一選択薬の対象にはなりません。あらかじめご承知おきください。
漢方治療は、症状を改善するだけでなく、根本的な病状の解決をめざして、より健康な状態を実現するための統合的な治療です。そのため、自覚症状だけでなく、背景を考慮して、食事や生活習慣の改善を行い、心身のバランスを回復させることも重要になります。「未病」という考え方に基づいて、体調不良の段階で心身のバランスの乱れを整え生活習慣の改善と併せて体調の悪化と進行を防ぎます。
漢方外来では、「随証治療(ずいしょうちりょう」という漢方医学の見方で診療を行います。「随証治療」とは、「証(しょう)に随(したが)って治療する」という意味で、「証」は、患者さんの体質や病気・症状、心と体の状態を表し、これらは独特な見方で分類することができます。そのパターンに応じた漢方薬を適切に使用することで、治療効果を高めます。「証」の評価には「気血水(きけつすい)」、「陰陽(いんよう)」、「虚実(きょじつ)」などを用います。気血水とは、体内の気や血の均衡を指し、陰陽は陰と陽の力の均衡を、虚実は虚弱と強壮の状態を指します。
「気」とは形のないエネルギーで、体を動かし、温め、守る働きがあります。元気の気と考えると分かりやすいでしょう。この元気が不足している状態を「気虚(ききょ)」といい、ストレスが溜まって悪影響を及ぼしている状態を「気滞(きたい)」といいます。
「血」は体を滋養する働きがあります。この働きが低下すると、動悸、疲れやすい、目の下にクマができやすい、貧血のような症状などが現れることがあります。「血液」の概念とは異なります。体の栄養が足りていない状態を「血虚(けっきょ)」といい、栄養が体のどこかで滞っている状態を「瘀血(おけつ)」といいます。
「水」とは水の要素であり、体に潤いが足りていない状態を「陰虚(いんきょ)」といいます。体の水が滞る状態を水滞(すいたい)といい、めまい、体が重い、顔や足などのむくみ、のどが渇きやすい、多汗などの症状と関係します。
陰陽の物差しでは、大まかな体の傾向を知ることができます。たとえば体が冷えているのか、それとも熱がこもっているのか。体の熱の状態を知ることで、温めるべきか、冷ますべきかが分かり、バランスを整えるための対応ができます。
病気の勢いと、それに対する体の防衛反応の強さを表したもので、「実証」と「虚証」があります。「実証」は病気の勢いに抵抗する体の反応が強い状態です。汗が出ず、体力があり、便秘傾向となることが多く、この場合、汗を発散させたり、便を下したりする生薬を含んだ処方が役立ちます。一方、「虚証」は汗が出やすく、体力がなく、冷えて下痢傾向となります。この場合、体の表面を守る気の働きを助け、消化機能を高める生薬を含んだ処方が役立ちます。
漢方治療では、一人ひとりの患者さんの体質や自覚症状を重視し、生活の質(QOL)の向上をめざします。病気を診て、さらには人を診る医療であり、心身に優しい治療ともいえます。しかしながら、漢方治療にも得手不得手があります。がんなど手術を要する疾患や肺炎などの細菌感染症といった治療は難しく、こうした病気があることがはっきりしている場合は、漢方にこだわる必要はなく、西洋医学的アプローチも大切になります。また、長期内服で副症状が発生するリスクについて報告のある生薬もあります。治療にあたっては、肝機能障害が無い・間質性肺炎が無い、などの検査も確認が必要になる場合があります。また、持病の内服薬と飲み合わせが出来ない場合もありますので、治療中疾患について事前に必ずお知らせください。

タバコを止めたいと思っているのになかなか止められない方、
禁煙に失敗したことのある方、お気軽にご相談ください。
保険による禁煙治療には条件があり、全員が当てはまるわけではありません。
保険診療の条件は次の4つの項目です。
過去に健康保険等で禁煙治療を受けたことのある方の場合、前回の治療の初回診察日から1年経過しないうちは、保険診療による治療は出来ません(自由診療となります)。
禁煙治療薬の内服中は自動車の運転など危険を伴う機械の操作はできません。統合失調症、双極性障害、うつ病などの精神疾患がある場合は、症状が悪化するおそれがあるので、チャンピックス内服による治療が受けられない可能性があります。
その場合は貼り薬など他の方法をご提案します。お気軽にご相談ください。
※張り薬と飲み薬の併用は認められていません。
妊娠中または妊娠の可能性がある女性の場合、禁煙治療によるメリットが、薬の危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ服用が可能です。
テオフィリン、ワルファリン、インスリンなどを使って治療中の方は、薬の用量を調整する必要がある場合があります。CYP1A2という酵素で代謝される薬(クロザピン、オランザピンなど)も同様です。
禁煙外来では、スケジュールに沿った治療を進めると同時に、禁煙中の体調の変化や禁煙を続けるためのちょっとしたコツなどもお話いたします。
喫煙には、ニコチンに対しての身体的な依存と、薬剤依存ではない精神的な依存の両面があります。禁煙は同時に2つの依存を克服していかなければなりません。
喫煙すると、タバコの中のニコチンが脳の「ニコチン受容体」に結合します。この時ニコチン受容体からは、脳内に快楽を感じるドーパミンが放出されます。ドーパミンは快感や報酬を感じさせる物質なので、喫煙者は「気分が落ち着く」「ストレスがとれた」という感じます。これを繰り返すうちに、ニコチンがないとイライラや落ち着かないといったニコチン切れの症状(禁断症状)が現れるようになります。これがニコチンの身体的依存です。
ニコチンの精神的依存とは、仕事や家事などが一区切りついた時に、習慣として喫煙してしまう状態のことです。タバコを吸ってよかったという記憶や身についた癖、習慣などを心理的依存といいます。薬剤を介さない精神的依存は、喫煙行為の他に「買い物依存症」や「ギャンブル依存症」でもあります。
禁煙はこの身体的依存(ニコチン依存)と、精神的依存(生活習慣)を克服することがポイントとなります。禁煙をスタートすると、ニコチンの離脱症状が起こるため禁煙補助薬によってその症状を緩和します。心理的依存の克服過程では、口寂しさや、手持ち無沙汰、あるいは喫煙してしまうのではないかという不安が生じてきます。ここでは禁煙の意思をご自身で強く持つことも大切ですが、生活習慣の見直しや医療者によるカウンセリングといったサポートを受けていただきます。このようにして2つの依存を克服していきます。
保険診療で使える禁煙補助薬にはニコチンパッチ(貼り薬)とチャンピックス®(バレニクリン:飲み薬)があります。これらの禁煙補助薬を用いた治療は、禁煙後のニコチンの離脱症状が緩和され、自力で禁煙するよりも比較的楽に禁煙することができます。ニコチンパッチはニコチンを含む貼り薬で、禁煙により体が要求するニコチンを皮膚からゆっくりと吸収させ、補充します。補充量を徐々に少なくしていき、最終的に補充が必要ない状態に持って行きます。チャンピックス®(バレニクリン)はニコチンを含まない飲み薬で、脳内のニコチン受容体に結合し、タバコを吸った時の満足感を抑える作用があります。
※チャンピックス®(バレニクリン)は2020年から出荷・供給が停止されていましたが、供給が再開されました。
タバコは肺がんや喉頭がんをはじめ、様々ながんを増やすリスク要因であり、呼吸器の病気や心臓病などとも関連が強いことがわかっています。禁煙することで、これらの病気にかかるリスクが確実に減少するといえます。
また度重なる値上げがあり吸える場所も減ってきており、喫煙のためにタバコの吸える喫茶店に入らなければならないなどの余計な出費が必要となります。禁煙することでそのようなお金が不要になるなど、経済的なメリットも大きいとされます。
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