発熱外来
発熱外来

発熱・咽頭痛・咳・下痢などの体調不良の場合は、発熱外来の予約枠またはオンライン診療のご利用をお勧めします。ご体調がよろしくない場合やご不明な点がある際は、お電話いただければスタッフが適切なご受診時間をご案内いたします。
院内での検査は2種類あり、いずれもその場で陽性が確認できます。
ご受診の際に、ご相談の上医師が院内で行います。抗原検査はインフルエンザの抗原検査と同時に行えます。いずれも発熱があるなど感染を疑う体調不良時には保険診療の適応となります。また陽性となった場合はゾコーバ®(エンシトレルビルフマル酸)などの処方を含め治療を行います。深刻な持病をお持ちでいらっしゃる場合や体調不良時は、連携している基幹病院での治療のためにご紹介も行います。
発熱直後の検査では陰性になることがあるため、発熱してからの時間に応じて3種類の検査があります。ご受診された時の状態を総合的に判断して検査方法を選択します。
インフルエンザの出席停止期間は「発症後5日を経過」し、かつ「解熱した後2日間」となっています。(学校保健安全法施行規則第 19条)この場合は発熱・発症した日を「0日」として翌日から日にちを数えます。大人の出勤などについては、これを参考に体調の回復をみて職場と相談して決めるようにします。
高熱と強い喉の痛みがあり扁桃腺が腫れて白苔(白い膿)が付着している場合は、溶連菌感染による急性扁桃腺炎を疑います。院内では扁桃腺の白苔から検体を採取し、A群β溶血連鎖球菌の迅速検査も行っています。季節的に流行を繰り返す子供さんの感染症として有名ですが、大人も感染しますし、流行に関わらず1年を通して散発的に発生があります。嚥下痛(つばを飲み込むと痛い)が特徴的です。A群β溶血連鎖球菌が検出された場合は、原則サワシリン®(アモキシシリン)による治療を行います。ペニシリンアレルギーのある方の場合は、アレルギーの無い他の抗生剤を用います。内服に伴い辛い症状は数日で改善しますが、途中で内服をやめてしまうと再発し治療をやり直すこととなってしまうため10日間しっかりと内服する事が大切です。また治療当日から48時間程度は周りに感染しやすいため、自宅での療養が望まれます。同居家族がいる場合は、飛沫感染・接触感染に注意して療養を行います。
肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)という細菌に感染することによって起こる感染症です。潜伏期が長く、初めは発熱や全身倦怠感(だるさ)など普通の風邪のような症状が出現し、特徴的なしつこい咳が見られない事もあります。比較的症状が軽く、一般的な咳止めや解熱剤などで対応可能なため“歩く肺炎”と呼ばれることもあります。夏のオリンピックが開催される4年毎に大きな流行が見られる傾向がありましたが、近年その傾向は必ずしも当てはまらないとされています。普通感冒と症状は似ていますが、熱が下がった後も長期(3~4週間)に強い咳が残ります。強い咳が続く場合は感染を疑って痰から抗原検査を行いますが、陽性にならない事もあり注意が必要です。核酸検査や血液検査は治療上どうしても必要な場合などに検討して追加することがあります。
通常の風邪症候群よりも呼吸苦があり、食欲がない・高熱が続く・強いだるさや咳が続く場合は、肺炎や気管支肺炎を疑います。聴診で肺に雑音がある・指先から測る酸素飽和濃度が下がる・苦しくて呼吸数が増えるなどの症状が伴った場合にも肺炎を疑います。その場合は胸部レントゲン検査を行い、必要に応じ採血の院内迅速検査で白血球数やCRP(C反応性タンパク)の測定を実施し、身体の中の炎症の有無を確認します。
急性の発熱があるにも関わらず、咽頭痛や鼻汁・咳などのカタル症状や上気道炎の症状が無い場合、下痢や腹痛が無い場合は、尿路感染症も疑わなければなりません。膀胱炎は女性に多く通常発熱はありませんが、腎盂腎炎では悪寒・戦慄(ふるえ)の後に急に高熱になることがあります。また、背中を叩くと左右差があって痛む(殴打痛)といった症状、強い全身倦怠感を伴うこともあります。尿検査では尿中に白血球や潜血が増えた所見として確認されますので、腎盂腎炎を疑った場合は院内で尿検査を迅速で行います。月経中は検査ができませんので、症状と経過・診察所見から総合的に判断します。治療は抗生剤の内服や点滴治療が有効ですが、過労・冷え・ストレスといった悪化要因も避けるようにしましょう。また、脱水にならないように、カフェイン・アルコール以外の水分をこまめに摂りましょう。身体を冷やさないような飲み物(白湯・あたたかいノンカフェインの飲み物・ホットミルクなど)がおススメです。排尿を我慢しないようにして身体を清潔保ち、十分に療養することも再発を繰り返さない上で大切です。
下痢・腹痛・悪心や嘔吐・発熱を主要症状として発症し、数日で症状が悪化する場合は、まずは急性胃腸炎・感染性腸炎を考えます。集団発生と病原大腸菌O157による感染性胃腸炎を疑う場合は、便の培養検査と原因が疑われる食品の検査、および保健所への届け出が必要になります。それ以外の場合は全身状態の管理と治療を優先し、必ずしも病原体の特定は必要とされません。O157感染症を除く急性胃腸炎・感染性腸炎の症状の多くは、健康な成人で深刻な持病がない場合で1日半~2日程度で回復傾向になるとされ、便の検査を行っても結果が出る頃に快方に向かっている事が多いからです。また、原因病原体毎の特殊な治療もないとされ検査結果が治療方針を左右する事は少ないとされます(O157感染症を除く)。
毎年秋~春にかけて(特に冬場)にはノロウイルス・ロタウイルスによる急性胃腸炎・感染性腸炎が流行します。通年ではカンピロバクターによる感染性腸炎・下痢症の発症が多く、肉類(特に鶏肉)の加熱調理を十分に行う事で防げます。サラダなど生で食べる物は先に調理し、肉類や加熱用の牡蠣・魚介類の調理は他の食材への混入を防ぐためにも最後に行うと良いでしょう。またノロウイルス・ロタウイルス・アデノウィルスなど、アルコール消毒では十分な効果が得られない病原体があります。普段から食事や飲水の前には、石鹸と流水で手を良く洗うようにしましょう。
腸の中には“腸内フローラ”と呼ばれる身体を健康に保つ防御システムがあります。下痢や嘔吐は身体が不要とした結果生じている症状ですので、無理に止めずに体調を整える治療を行っていきます(対症療法)。ただし、全く水分が摂れない状態では脱水が進行し全身状態の悪化を生じるため、点滴治療を行う場合もあります。嘔吐せずに飲水が出来ており全身状態が保たれている場合は、内服が可能ですので、症状を和らげる治療を行っていきますが、小さなお子さんや持病のある高齢者・免疫力の低下した方など全身状態の悪い場合は急変の危険がありますので、注意が必要です。
症状は10~14日程度で回復するとされます。治療にも関わらず14日を超えて胃腸炎症状が続く場合、下痢に加え下血が出現するなど悪化傾向がある場合は、その他の疾患も考えなければなりません。体調不良が長く続く場合は、追加の精査が必要になりますので放置せずに受診してご相談ください。
多くは風邪症状のような発熱や全身倦怠感(だるさ)が先行しますが、咳や咽頭痛・下痢などの感染巣のはっきりしない場合で、頭痛・嘔吐など髄膜刺激症状がある場合に疑います。項部硬直(こうぶこうちょく:頭を持ち上げると首の後ろが硬く抵抗がある)は特徴的な所見として有名ですが、はっきりしない場合もあります。風邪症状が乏しいのに、頭痛や発熱が続き、意識低下やけいれんなど髄膜炎が疑われる場合は、基幹病院の神経内科での診療が必要になります。ウイルス性の場合は対症療法で軽快するとされますが、細菌性の場合は重篤になりやすく、早い段階でどちらが原因の髄膜炎かを診断する必要があります。
若年者では急性に発症する血液疾患(白血病)やリウマチなど膠原病の鑑別が必要になる場合もあります。発熱の他に貧血の進行や関節主張がある、咳や咽頭痛・鼻汁など風邪症状の乏しい発熱の場合には院内での迅速検査で血球の異常が無いか確認をします。また、HIV感染症の2~4週間目頃の急性期に高熱や全身倦怠感(だるさ)などの症状が出る事があります。自然と症状が改善しますが、感染につながるような機会があった場合は、検査を受けた方が良いでしょう。保健所では無料・匿名で検査が受けられますので、ご案内する場合もあります。なお、感染しても検査が陰性になる時期(“ウインドウピリオド”と呼ばれます)があります(3~6週間)。そのため、感染者が検出限界以上の抗体を産生するために必要な期間である6週間経過後に検査を受ける事が必要です。
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